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特定非営利活動法人
マンション管理支援協議会
(マンションNPO)ホームページ
特定非営利活動法人 マンション管理支援協議会 事務局長 川上美知代氏

知らない者同士が隣合わせに暮らすマンションという住まい。
快適に生活していくためには、共同で管理・維持していくことが重要だ。
しかし、管理組合の理事は素人ばかり。そこで、専門家の立場から組合活動を支援している団体がある。「特定非営利活動法人 マンション管理支援協議会」(略称 マンションNPO)だ。事務局長・川上美千代さんにお話をうかがった。

  
【特定非営利活動法人】
1998年に、特定非営利活動促進法が制定された。この法律は、社会のさまざまな分野で盛んになってきたボランティア活動などの社会的役割を認め、これらの活動を行う団体に法人格を与えるために制定された。特定非営利活動とは、まちづくりの推進を図る活動や地域安全活動、消費者の保護を図る活動などのことをいう。略して「NPO法人」ともいう。
  
建築士、マンション管理士、弁護士、(管理組合)理事経験者など、組合運営に関して、相談にのることができる専門家が集まり、つくった組織なんです。

なぜ、こういう組織を立ち上げようと?

管理組合って、運営上いろいろと問題が起きてどう解決したらよいか悩むことが多いと思います。まぁ、管理会社もひとつの相談相手ですが、管理会社も企業なので、どこまで組合の立場で相談にのってくれるかというと、難しい点もあるし、また管理会社とのトラブルを抱えている管理組合も多いわけです。また管理組合のトラブルの相手は、企業など専門家である場合も多いので、管理組合の立場にたって相談できる組織が必要だと思い、つくりあげた組織なんです。

管理組合の理事は1年から2年で交代してしまうので、なかなかノウハウが蓄積しないというのが、問題点としてあがっています。つまり、これはいつでも素人が組合運営に関わっているということですよね。そこで困った時に相談できるところがないというのは、やはり切実だったのでしょうね。

そうですね。困っていてもどこに相談していいかわからない。管理会社との信頼関係がしっかり築かれているところはいいのですが、信頼関係がないところもある。そんなところでは、管理会社に相談にのってもらっても、組合の立場に立ってもらえず、会社の都合ですすめられているというようなことも、あるんですね。

【マンション管理士】
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(2000年12月成立、2001年8月施行)によりできた資格。管理組合の運営で起こってきた課題や建物の構造上の問題に対し、組合の理事や区分所有者の相談にのり、指導することを業務とする。

【管理組合】
マンションはひとつひとつの住戸(専有部分)と廊下やエレベータなど(共用部分)が集まってできている。専有部分の管理を行うのは区分所有者とよばれる専有部分の持ち主だ。そして、主に共用部分の管理などを行うためにつくられる組織が管理組合だ。構成メンバーは、区分所有者全員。「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)で定められている。全員加入となっており、脱退はできない。

【管理会社】
管理組合からマンション管理業務を委託されて行う企業のこと。「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」により、分譲マンションの管理を行う企業は、国土交通省の「マンション管理業者登録簿」に登録しなければならない。、国土交通省の各地方整備局で登録簿は閲覧できる。
    
  
マンションNPO通信
共用部分の大規模修繕や設備改修の相談、長期修繕計画をたてる支援なども行っています。新しいマンションだと、入居から1年2年と定期点検がありますが、みなさん専有部分は見るけれど、共用部分はわからないので、見て欲しいという要請もありますね。

ハード面での支援が多いのでしょうか?

ほかにも、組合運営に関する相談活動も行っていますし、行政からの依頼を受けて、セミナーや交流会活動も、始めています。講師を派遣したりして。あと、「マンションNPO通信」(同団体の広報紙)を作成し、情報提供を行っていますよ。

ハード面、ソフト面、両面からの支援活動と思えばよいのでしょうか?

そうですね。さきほどハードとかソフトとかいいましたが、ハード面とはいっても、たとえば新築のマンションのように誰も住んでいないところに建物を建てるだけなら、ハードとはっきり言えるのでしょうが、長い間住んでいるマンションでは、ハードとソフトは簡単には分けられないんですね。人間関係のしがらみ也歴史みたいなものもあって、大規模修繕工事を実施する時にも、そういった関係がいろいろな形で出てくることもあるので、ハードもソフトも一体として考える必要があるでしょうね。

組合運営がうまくいってないと、修繕もうまくいかないとか?

そう。修繕工事はお金のことも含めて、皆さんの協力が必要なので。いかに合意形成をしていくかが大切になりますね。組合運営がうまくいっていないと、この合意形成がきちんと成されず、トラブルの原因となってくるケースもありますしね。

チームで相談にのるんですか?建築士が管理費の内訳まで相談にのるっていうのも難しいでしょう?

メンバーの得意分野を生かしながらケースバイケースで対応しています。長期修繕計画の策定を頼まれて、どうしても修繕積立金を値上げしなくちゃならない場合は、管理費の値下げを検討しなきゃならないということもでてきますから、

ハードの点検を行う様子

管理費の内訳について詳しい人が相談にのるということもあります。また、リフォームに関する細則づくりなどは、マンション管理士や法律などに詳しいメンバーが担当しますが、技術的な判断が必要な場合は建築士と相談しながら進めるわけです。

 

 

マンションの維持管理上の問題点として、建物の不具合問題や不適切な施工などがあるはずですが、管理組合がこれらの被害者になるケースはよくあることです。
こういった場合、支援してもらえる組織が必要となりますが、これは行政にも、民間企業にも期待はできないわけで、それを担っていくのがNPOということです。公正な第三者機関としての立場を貫くという意味でも、NPOしかないと考えました。
一方で建物以外の組合運営のことを真剣に考える方たちやこういった組織を応援してくださる方々と協力しあえるのは、NPOが一番よいとも思いました

直接対決することは、あまりないのですが、煙たがられているかもしれませんね。管理費に関しては「一般的にはこの位の金額ですね」といったアドバイスはしますが、それ以降は「ご自分でやってください」と言っているんです。どんな管理をして欲しいのか、管理会社を変更したいのかなどということは、管理組合が決めることだし、私どもでは考え方を整理したり、判断するためのお手伝いをすることしかできません。管理の専門家として信頼できる管理会社であれば、むしろ積極的に情報交換をしたいですね。 むしろ軋轢があるとしたら、1年2年点検の依頼を受けて、建築士が専門的な目でチェックして不具合部を交渉し、補修してもらような場合の方があるかもしれませんね。結果として何百万、時には何千万という補修費がかかる時もあるのですから…。

  
【マンションNPO通信】
2002年4月より隔月で発行している。現在19号まで発行。マンション管理上、重要になってくる修繕の問題やマンションでの暮らし方など幅広くテーマを扱うマンション管理支援協議会の広報紙。

 

 

 

 

 

【大規模修繕】
マンションも長い時間を経るにしたがって、だんだん古くなり劣化していく。また、竣工当初は最新設備だったものが、時間の経過によりその設備が陳腐なものとなってしまうことがある。これらの状態を改善するために計画的に行われる修繕工事のこと。スラム化を防ぎ、マンションの価値を下げないためにも必要だ。外壁補修、鉄部の塗装、屋上の防水工事を行う組合が多い。

 

 

 

【長期修繕計画】
管理組合は、建物の劣化に備え長期的な視野で大規模修繕のための計画をたてなければならない。これが長期修繕計画だ。それぞれの部位により劣化の具合は異なるので、それぞれの部位の状況をよく把握したうえで計画は立てなければならない。

 

【修繕積立金】
管理費とは別に、将来の修繕工事に備えて管理組合が区分所有者から徴収して積み立てるお金。全国平均で一戸あたり9066円/月となっている。

 

 
    
 

取材後記                                
マンションNPO・川上さんにお話しをうかがった。マンション管理の側面から、居住者をサポートされている川上さん。管理組合をいきなり任されて、悩む理事たちをチームで支援している。相談できる窓口があると思うだけで、理事初体験の人でもきっと心強いだろう。次回も川上さんのお話です。                                        byさかもと