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開発者インタビュー | 社長に直撃インタビュー2  音響実験  間取り解説  音のエトセトラ
  
9月某日、そろそろ秋の気配が感じられるようになってきたこの日、4人のライターとカメラマンは、朝9時に現地で待ち合わせた。昼頃から、のそのそと仕事を始めるいつもの私たちはどこへやら。実験への意気込みで鼻息も荒い。
この日の実験には「せっかくだから、プロのミュージシャンに音を出してもらおう」と、フルート奏者・深津純子さんとピアノ奏者・高木め里さんにもお付き合いいただいた。
素人の私たちの音響実験は、室内の音の響き方を中心に実験。スタジオドアの前でDr-35が確保できるのかどうか?
さぁ計測!高い音から低い音まで出して、どれぐらい音が軽減できるのかを計った。
  
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Kタイプ
開口一番に出てきた言葉は、
高木さんの「まるで本当のスタジオみたい!」だった。(本物のスタジオだぞ!)
阿部さんが扉に手をかけ、まず、スタジオ出入り口の1枚目の鉄扉を開く。すぐ室内に入れるのかとみんな思っていのだが、目の前にもう一枚、同じような鉄扉のドアが現れた。

阿部:スゴイ!2重扉になってる!

2枚目の鉄扉を開けると、中は遮音室だから、静かだと思っていたのに、スタジオ内に、大音響で音楽が鳴り響いていたのでびっくり。阿部さんはこの2重扉を何回も開け閉めして、耳を扉に当て

阿部:スゴーイ!2枚目も閉めたら、何にも聞こえないねぇ。耳をあてるとかすかに聞こえるくらいだよ。


と感心しきりだ。みんなが安部さんの真似して、ドアに耳を当てて確かめた。 全員で、音が鳴り響くスタジオ内へと入り、避難口、窓のつくりなどそれぞれにスタジオ内をチェックする。

深津:これならいつでも練習できそう、貸しスタジオもできちゃう。「うちならいつでもOKよ。うちに来て練習しない」って、言ってみたーい。
杉本:地下ならドンドン音出してもある程度大丈夫じゃない?
阿部:エアロビクスやジャズダンスもできるね。壁面が全面鏡になっているから。
斎藤:地下だから、ここが一番防音効果が高いんだよね。2階のスタジオがどうかってことも確かめないとね。探検隊としては。


斎藤さんの言葉からは、厳しくチェックするぞ、との思いが感じられる。

【深津純子(ふかつ すみこ)さん】
東京芸術大学付属高校卒、慶応大学文学部仏文学科卒業、同大学院修士課程修了。 フルートを小出信也氏、C・ラルデ氏、W・ベネット氏などに師事。ジャズを井上信平氏に学ぶ。クラシック、ラテン、ジャズを中心に幅広く活動。現在までにアルバムを4枚発表。3作目「アザ・ブランカ」でメジャーデビュー。最新作「キャッチ・ア・レインボー」では、スイング・ジャーナル誌選定ゴールドディスクに選ばれた。
深津さんHP


【高木め里(たかぎ めりい)さん】
国立音楽大学調律科卒。調律師の世界から飛び出し、現在では、誰が聴いてもなじみ深いオールディーズナンバーと大人のJ-popを中心にピアノと歌を演奏している。パークハイアット東京や新高輪プリンスホテル、グランドハイアット東京などでもリサイタルを開催。
今年も12月5日(日)に横浜グランドインターコンチネンタルホテルでライブを行う。
  
    
  
サウンドレベルインジケーターという計測器の扱い方を音響設計の方から教わり、測定開始。深津さんにお願いして、フルートの演奏を始めてもらう。
数値を見ると、75〜98dB程度の音がスタジオ内に響き渡っていることがわかる。
まず、スタジオ側の鉄扉を閉めて、扉に機械を接近させて計測。すると数値は38〜40dBを示した。約半分に減音されている。さらに2枚目の扉を閉めると計測器は、32〜33dBに。
つまり、遮音性能でいうと、1枚目の鉄扉で最低でもDr54、2枚目の扉でDr65は確保できているということだ。これはかなり優秀。
まぁ、計測器を使わずとも、扉を閉めた時にその違いは「一耳瞭然?」。閉めたとたんに、音は劇的に小さくなるからだ。

阿部:耳をドアにつければ、蚊の鳴くような音がかすかに聞こえるような、聞こえないような状態になるでしょ。計測器が示す数値は、きっとこちら側のもろもろの生活音を拾っちゃってるんだと思うわ。

当日は、モデルルーム以外の部分で工事が行われていて、どこからかトンカン、トンカン聞こえてきた。機械はこの音も拾ってしまっているので、厳密な数値を取れなかったが、それでも数値は合格点だ。つまり、スタジオ内の音は、ほとんど漏れないことがわかった。
【デシベル(dB)】
簡単にいうと、音の強さ(音圧)を表す単位
詳しくは音のエトセトラ
【遮音性能】
詳しくは音のエトセトラ
  
    
  
次に高木さんにピアノを弾いてもらった。曲は、今年、流行った冬のソナタのテーマ曲「最初から今まで」とリチャード・クレイダーマン「渚のアデリーヌ」。静かな曲なので、数値は75〜81dB程度。それでも、かなりスタジオ内に響いている。その調べの美しさに、すっかりみんな聞き惚れてしまった。うっとりしている場合じゃない、と気づいて、1枚目の扉を閉めると数値は45〜50dBに落ちた。2枚目の扉では37〜45dB。遮音性能でいうとDr36の数値を確保できた。
さらに欲張って高木さんには、歌をうたいながらピアノを演奏してもらった。曲は「オンリー・ユー」。歌声が加わると数値も上がり、85〜88dBに。
1枚目の鉄扉を閉めると、50〜58dBに数値は変化した。2枚目の扉を閉めると、40dB程度に。Dr48は確保している。優秀、優秀。
しっかりと閉じられたスタジオ扉のハンドルを回して、1枚、そしてもう1枚。開けゴマ!響き渡る大音量に包まれる。高木さんの声とピアノの音がお腹の底にドーンと響いた。

杉本:め里さん、さすがに声量あるね。

全員、納得の顔だ。Kタイプの地下スタジオには、全員が合格点をつけた。
  
    
  
F1タイプ
さて、今度は2階のF1タイプへ。ベッドルームや居室のすぐ隣にスタジオがあるタイプだ。防音のための鉄扉は1枚。その上にオプションでフラッシュドアがついている。みんな住戸内に入ると、スタジオだけでなく、リビングや居室のチェックを始めた。

杉本:開口部が広いね。
斎藤:バルコニーも広くない?
阿部:あっ、このテレビいいよ。薄くて、かっこいい。


すかさずインテリアにも目がいく。映像や音響を大事にする人の暮らしを想定して、モデルルームにも、大型液晶テレビやBOSEのスピーカーを置く懲りように、脱帽だ。
あちらこちら歩き回り、ウォーキングクローゼットなども開けてみながら、みんなは口々に感想が述べた。

杉本:収納がもうちょっと欲しいかな。家具を置かなきゃならないもんね。天井は高くていいねぇ。
斎藤:このお部屋の値段は、この辺の相場と変わらないでしょ。安いわぁ。
さかもと:演奏の音がテレビを見ている、寝ている家族の耳に聞こえないかどうかってことが大事なんですよねぇ。どうだろう?実験に入りましょうか。

【開口部】
住宅に設けられた窓や出入り口のこと。
【フラッシュドア】
障子の桟のように、縦と横に組まれた骨組みに、両面から合板などを張り付けたドアのこと。一般的な室内ドア。
  
    
  
チェックが終わって、本題の音響実験に入った。
まずは、スタジオでフルート・深津さんに演奏してもらう。
スタジオ内の数値は80〜95dBだ。1枚鉄扉を閉めると、55〜60dB、2枚目のフラッシュドアを閉めると、55dB、つまり約Dr40は取れている。

阿部:鉄扉のご利益はすごいね。これなら、テレビを見ていてもまったく邪魔にならない。
斎藤さんは、同時に隣りのベッドルームで音を響き具合を確認した。
斎藤:何にも聞こえない。これならぐっする眠れる。

杉本さんは、反対隣りの子ども部屋で音のチェック。
杉本:壁に耳をつけると、かすかに音が聞こえるくらいかな。
続けて、高木さんにもピアノを演奏してもらった。曲目は、Kタイプの実験で演奏した2曲だ。その後、歌も歌ってもらった。
まずは、スタジオ内のピアノ音を計測し、85〜95dBの数値を確認。1枚目の鉄扉を閉めると、55〜65dBに落ちた。2枚目のフラッシュドアを閉めると、55dB〜65dB。Dr35を確保できている。歌が加わっても、ほぼ同様の結果が出た。
隣りの部屋で壁に耳をつけていた杉本さん、斎藤さん。

杉本:かすかに聞こえるくらいだね。
斎藤:何を演奏しているかわからないものね。
 
阿部さんの発案で、フラッシュドアだけでも実験してみた。
つまり一般的なマンションと同じ状態でどのくらいの音になるかが気になったのだ。
高木さんのピアノと歌の演奏が始まると、住戸内中に音が響き渡った。

阿部:75〜80dB。このドアには防音上の効果はあまりないみたい。あくまでもインテリアのためね。鉄扉がむき出しになるのが嫌な人のためのものね。

一同、鉄扉のありがたみを実感。実際に防音・遮音の効果は体感してみて、心から納得できたという感じだった。
Kタイプ   演奏音 1枚目の鉄扉 2枚目の鉄扉 遮音性能
フルート 75〜98 38〜40 32〜33 Dr65
ピアノ 75〜81 45〜50 37〜45 Dr36
ピアノ+歌 85〜88 50〜58 40 Dr48

Fタイプ   演奏音 1枚目の鉄扉 2枚目の木扉 遮音性能
フルート 80〜95 55〜60 55 Dr40
ピアノ 85〜95 55〜65 55〜65 Dr35
ピアノ+歌 85〜95 55〜65 55〜65 Dr35
※上記の数字は工事最中の段階のもの我々レポーターが計測したもので、正確・緻密なものではありません。
 
    
  
全員で帰り際にコンサートホールを覗いてみた。
ミュージシャンの2人は、自然と楽器に手が伸びて、演奏が始まった。すぐさま即興でセッションが始まる。曲は「メヌエット」や「枯葉」などの誰もが知っているスタンダードナンバーのだ。あまりに素敵な演奏だったので、気づくとみんな、イスにかけて、聞き手になっていた。

さかもと:即興のセッションなんて無理と思っていたのに。本当に音楽家が集まると、自然とセッションができるんだ、驚き。
齋藤:このかわいいホールでライブの音を聞くとグランドピアノから2メートルも離れていないのよ。こういうところで定期的に演奏会が開催されたら、はまりそう。


いつの間にか、ライターもカメラマンもイスに座って観客になっていた。音がよく響くのに、やわらかで小粒ながらカザルスホールや紀尾井ホールの趣。数曲の演奏の後には、パチパチと全員で拍手。音楽は自然と人の輪をつくるようだ。
【カザルスホール】
1987年に東京都・千代田区に完成した日本最初の室内楽専用ホール。室内楽を愛した世界的な音楽家・パブロ・カザルスの名前を戴いている。建築設計は磯崎新アトリエ。音響設計は、ミュージション新江古田と同じ、永田音響設計。
【紀尾井ホール】
1995年東京・千代田区紀尾井町に完成した、新日本製鐵(株)の創立20記念事業として建設されたホール。
    

  
  
  

■フルート奏者・深津純子さん
賃貸マンションに住んでいた時、たたみ一畳位の防音カプセルを買いました。でも、暑いし、狭いし、結局使わなかった。数年前、マンションを買った時には、自分で防音仕様にしました。床下に遮音シートを貼って、サッシはペアガラスに。それでも上の階の人が時々コツコツ叩くので、天井にも吸音シートをはってもらいました。
スタジオは、音が響きすぎるのも、響かないのもイヤ。ここのスタジオは、とても気に入りました。地下スタジオの音の響き方はよかったですね。ホールもなかなかのもの。発表会に使ったり、仲間とのコンサートもできるでしょ。コラボレートのチャンスが増えるのも演奏家にとっては嬉しい。

■ピアノ奏者・高木め里さん
賃貸マンションなので、ピアノが弾けないんです。今は、親戚のお店が休みの日に練習させてもらっています。弱音装置を使って練習しているジャズピアニストや橋の下で練習しているドラマーもいます。みんな苦労していますよ。自分専用のスタジオが自宅にあるってうらやましい。しかも、ホールがあるから、プライベートな演奏会も気軽にできるし、ホールの音の跳ね返りを体感しながら、練習できるのがなによりかもしれない。こういう住宅があること自体、すごいことですね。このマンションが欲しい。F1タイプのスタジオは、気持ち音が響きすぎるかな。でも、音が漏れないのが一番だから。

  

  

スタジオといっても、部屋の中にあったらきっと、音は漏れるだろうなぁと思っていたのですが、
スタジオドア前のDr-35という遮音性能は、どんな高い音、低い音を出しても確保されていました。
耳で聞いてみても、Dr-35という数値は、周囲でテレビを見ていたらまったく気付かない程度のものなんですね。
開発チームの方々は、いろいろな楽器で試されているそうです。失礼ですが、そのしつこさ、真面目さに頭が下がります。

Byさかもと