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グッドデザイン賞を受賞
(ミュージション川越、埼玉県川越市) |
●その悔しさが川越のミュージションにつながっていったんですか?
■川越に土地があったので、なんとかあの失敗を生かせないかなと考えました。
音楽家を目指す若者で、18歳〜22歳までの音楽大学生をターゲットにしました。大学にいっている間だけでも、本気でプロを目指して、指から血が出るまでピアノを弾きたいという若者に住んでもらいたいと考えました。
今の技術なら、始終音に触れて暮らす音楽環境を提供できるんじゃないかと。今の技術といっても、音を遮音するということは、とても微妙なことで、どちらかというと職人芸と言えるような熟練工の仕事なんですね。どこかの工場からこれを持ってくれば大丈夫という簡単な話ではありません。スタジオのひとつひとつを手作りでつくっていったようなものですよ。
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ピアノを置いてもゆったり
(ミュージション川越、埼玉県川越市) |
●手間がかかりそう。具体的にはどうすすめたんですか?
■企画に入る前に、川越の場合は音大生の日常生活と練習環境を調査しました。いろいろな音大生たちと会ったんですね。会って、その人たちの部屋の使い方を聞いたんです。するとピアノの上には楽譜が山積みになっていて、今にも崩れ落ちそうだと言うんですね。ぼくの事務所と同じなんだけれど(笑)。4畳半とか6畳とかにグランドピアノを置きますから、めし食う場所も寝る場所もないわけです。ピアノの下に布団を敷いて、寝返りを打たないように寝ると言っていました。だから川越は、グランドピアノを置いて、デスクを設けて寝る場所も別に設けるという間取りプランを基本にして設計してみました。
●音大生って、どんなところに住んでいるんですか。練習音とか近所に聞こえちゃってたりして?
■そう、練習音は筒抜け。江古田あたりには音楽マンションとうたっているものがいくつかあるんですが、朝10時から夜8時ぐらいまで時間規制しているみたい。練習のできる時間でさえ、お互いどんな音が響いてこようとも我慢しようというのが実状なんです。
●それでも、「音楽をやるのに適しています」といって貸してるんですか?
■「適しています」というよりも、「お互いに我慢しましょう」というものです(笑)。だから、自分にどんなにいいメロディーラインやフレーズが思い浮かんでも、隣の部屋で下手くそなバイオリンを弾かれたら、そりゃもう、創作意欲もへったくれもなくて、苦痛以外の何物でもないでしょ(笑)。
●隣りの部屋ではバイオリンが「ギーコギーコ」、鳴っているとか。
■学生たちの不満を満たそうとすると当然、建設コストもアップしますから賃料も高くなる。でも学生の4年間、隣に迷惑をかけることなく練習できるのだから、よしとする、何が何でもプロになりたい学生はいるはずだと思って川越の事業を決断したんです。プロになれるかどうかは練習量によるといっても過言ではないんですよ。
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【グッドデザイン賞】
家具やインテリア、電気製品などあらゆるモノなどを対象に「品質の良さ」「使いやすさ」「商品のよさ」などを基準に選ぶ賞。受賞品には、「Gマーク」がつけられる。
ミュージション川越は、2000年に建築・環境デザイン部門で受賞した。高層マンションでありながら、窓の多い美しいデザインとスタジオの遮音性能の高さが評価された。
この賞、1958年(昭和32年)通商産業省(現・経済産業省)がはじめた「グッドデザイン商品選定制度」が前身。現在は(財)日本産業デザイン振興会が主催している。
関係ないけど、タレントで工業デザイナーの稲川淳二も平成8年に「車止め」で受賞している。きれいなデザインの車止め。意外に才能豊かなんだ、と驚き。 |
【グランドピアノ】
「練習用にはアップライトピアノ。だって部屋が狭くて置けないんだもん」という人が多いだろう。面積をとらぬように縦に弦を張ったアップライトは、弦を横に張ったピアノ本来の形のグランドに比べると、操作性や音量部分でやや劣る。足元に3つあるペダルも、真ん中のペダルの機能が異なる。アップライトは、音を小さくする機能、グランドは音を響かせる機能。狭くて音漏れが気になる環境のためのアップライトらしい機能を搭載しているわけだ。
グランドピアノは、搬入の際に窓やベランダからクレーンでつりあげて入れる場合が多い
ミュージション新江古田では、玄関口からYAMAHAグランドピアノCシリーズのC5L(間口1490mm奥行2000mm高さ1010mm)が入れられ、スタジオにも置ける。 |
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